【能面検事】2021・4・5
2021年04月05日
以前、
「おもしろいから読んでみて」
と言って渡された文庫。
中山七里『能面検事』(光文社文庫)
夜明け前に読み終えました。
いくつか傍線を引いた個所がありました。
あのね、検事さん。
あたしも子供二人育てたさかい、
よお分かるんですけど、
子供いうのんは家の中で聞いた言葉で大人になっていくんです。
父親や母親の交わした言葉を憶えて、
そのまま外で話すようになる。
夫婦喧嘩の絶えん家の子は口汚くなるし、
夫婦仲が円満な家の子は、
外でも乱暴な口は利かへん。
安全地帯からどんな理想論を唱えようが、
所詮はお為ごかしだ。
猛犬であっても首輪を外せと主張する者は、
自ら猛犬の近くに身を置かなくては説得力を持たない。
でもね。
ええカッコしいだろうが何だろうが、
理想は追ってナンボよ。
無理かもしれんけど、
心身を削って、
人間関係壊してでも理想に近づいていく。
そうでなかったら人も組織も貧しいものにしかならん。