以前、
「おもしろいから読んでみて」
と言って渡された文庫。
中山七里『能面検事』(光文社文庫)
夜明け前に読み終えました。

旬1

いくつか傍線を引いた個所がありました。
  あのね、検事さん。
  あたしも子供二人育てたさかい、
  よお分かるんですけど、
  子供いうのんは家の中で聞いた言葉で大人になっていくんです。
  父親や母親の交わした言葉を憶えて、
  そのまま外で話すようになる。
  夫婦喧嘩の絶えん家の子は口汚くなるし、
  夫婦仲が円満な家の子は、
  外でも乱暴な口は利かへん。

  安全地帯からどんな理想論を唱えようが、
  所詮はお為ごかしだ。
  猛犬であっても首輪を外せと主張する者は、
  自ら猛犬の近くに身を置かなくては説得力を持たない。

  でもね。
  ええカッコしいだろうが何だろうが、
  理想は追ってナンボよ。
  無理かもしれんけど、
  心身を削って、
  人間関係壊してでも理想に近づいていく。
  そうでなかったら人も組織も貧しいものにしかならん。