午前3時半、
雷と雹の音に目覚めて、
それから目が冴えてしまい、
昨日、古本で買った新書を飛ばし読みしました。
河合隼雄『子どもの宇宙』(岩波新書)
1987年発行ですから、
ずいぶん古い本です。
旬1
「登校拒否」の高校生が見た夢について語られている個所がありました。
「登校拒否」という言い方に時代を感じます。
  母と旅行してバスに乗り込んだ。
  犬も連れて行こうとして、
  バスの中へ連れていったが、
  犬はだめと言われたので、
  バスから降ろした。
  祖父にあずけて出発する。
  これが犬の見おさめのような気がした。
この夢を次のように解説しています。
  このような自立に関する考えを基にして、
  先に示した夢を見ると、
  この高校生が、
  旅に出るという自立を象徴する夢の体験のなかで、
  母親と共に行動し、
  残念だが犬を後に残したという意味がよく了解できる。
  ここで、言うなれば、
  この高校生にとっての母親像は夢のなかで、
  母親と犬とに分解されているのである。
  つまり、
  彼が新しい関係をつくりあげてゆくべき母と、
  これまでは必要であったが、
  「後に残してゆくべき母(犬で表されている)とである。
  この夢のなかには、
  犬と離れる彼の残念さと、
  決意とがよく示されている。

これが本当なら、
夢ってけっこう怖いなあと思いました。
最近、夢を見たという記憶はあんまりありませんが、
夢を見るのがちょっと恐くなりました。

ただ河合さんが言いたいのは、
「自立」はいいことなんだが、
その「よい」面だけを「良きこと」として評価するだけでなく、
その裏にある「淋しさ」や「悲しさ」にも目を向けるべきだということらしい。