連休二冊目を読了しました。
畠山健二『本所おけら長屋』16(PHP文芸文庫)の最新号、
2021年4月6日発行です。

島田鉄斎が言います。
  こんな話がある。
  ある家に美しい女が訪ねてきて、
  自分は福の神だと言う。
  その家の主人は喜んで、
  その女を家に招き入れた。
  ふと見ると、
  その女の後ろから汚れた醜い女も入ってこようとしている。
  何者だと訊くと、
  自分は貧乏神だと言う。
  そんな者に入ってこられては堪らないので、
  主人はその女を追い払う。
  すると、
  貧乏神が、
    福の神と私は姉妹なのです。
    私を追い払えば、
    姉の福の神も一緒にこの家から出ていきます。
  と言って笑った。
  そして、
  福の神と貧乏神は、
  その家から出ていったそうだ。

聞いていた八五郎も万松もわからないといった顔をします。
そこで、
喬丸が補足します。(つづく)