【貧乏神と福の神】2021・5・2
2021年05月02日
連休二冊目を読了しました。
畠山健二『本所おけら長屋』16(PHP文芸文庫)の最新号、
2021年4月6日発行です。
島田鉄斎が言います。
こんな話がある。
ある家に美しい女が訪ねてきて、
自分は福の神だと言う。
その家の主人は喜んで、
その女を家に招き入れた。
ふと見ると、
その女の後ろから汚れた醜い女も入ってこようとしている。
何者だと訊くと、
自分は貧乏神だと言う。
そんな者に入ってこられては堪らないので、
主人はその女を追い払う。
すると、
貧乏神が、
福の神と私は姉妹なのです。
私を追い払えば、
姉の福の神も一緒にこの家から出ていきます。
と言って笑った。
そして、
福の神と貧乏神は、
その家から出ていったそうだ。
聞いていた八五郎も万松もわからないといった顔をします。
そこで、
喬丸が補足します。(つづく)