【蹉跌(さてつ)】2021・5・8
2021年05月08日
気になっていたものの、
読み出す気力が無かった一冊を手に取りました。
『カレル・チャペック短編集』(青土社)
最初の短編で躓(つまず)きました。
でもって、
「訳者あとがき」を先に読むことに。
要するにわれわれ平凡な人間の生活もまた推理小説である。
家庭のなかの誰もが、
何かしらの秘密とまではいかなくても、
「なぜだろう?」という疑問が、
その先にちらつくような何かを、
それぞれに抱え込んでいる。
(中略)
チャペックは人生の多様性に注目する。
いまの人生ではなく、
もっとほかの人生を送るうる可能性もあったのだ。
だが、
よりによって、
最低の(現在の)人生を選んでしまった。
しかし今となっては取り返しがつかない。
そのような人生を誰もが送っているのだ。
きっと誰もが自分の人生を振り返って、
何らかの後悔をしているだろう。
(中略)
チャペックの小説は、
やさしい言葉でそれらの俗人をやわらかく包み込んでくれる。
これから、
ふさぎの虫に刺されるとか、
理由もなしに気が滅入るとかいうようなときには、
チャペックの短編を読むといい。
苦しみや、悩みを解きほぐしてくれる。
それがチャペックのかけがえのない魅力である。
この訳者の言葉に勇気をもらって、
残りの短編を読みはじめましたが、
間もなく断念しました。
正直に言うと、
よくわからない。
私はこんなにも愚かだったのかと、
少々、
情けなくもなりました。
そんでもって、
残りの数編は挫折、
久しぶりの蹉跌・・・です。