昨夜の読書は時代小説、
澤田瞳子『ふたり女房~京都鷹ヶ峰御薬園日録~』(徳間文庫)でした。

旬1

「ん?」と首を傾げた言葉が三つありました。
先ずは「耆婆扁鵲(ぎばへんじゃく)」
  それは名だたる耆婆扁鵲のお手を煩わせ、
  申し訳ございませぬ。
手元にあった『明鏡 国語辞典』(大修館書店)を引きました。
  「耆婆」は古代インドの名医の名、
  「扁鵲」は古代中国の名医の名。
辞書を開いてビックリ。
黄色のマーカーでマークしてしました。
以前、一度、調べたのです。

次いで「泰斗(たいと)」
  杏山は本草学の泰斗・小野蘭山の高弟。
これもまた『明鏡 国語辞典』を開きました。
  その道の大家として仰ぎ尊ばれる人。
  「泰山北斗」の略。
そこで今度は「泰山北斗」を調べることに。
  その道の大家として仰ぎ尊ばれる人。
  「泰山」は中国の山東省にある名山。
  「北斗」は「北斗七星」の略。
「泰山」と「北斗」、
こういうふうに並べて使うこともありのだと知った次第。

最後は「瞑眩(めんげん)」
    薬 瞑眩せずんば、その病 癒(い)えずとの言葉もあります。
    義兄上とて、頭ごなしには怒られぬはずです。
  眩暈(めまい)がするほどの強い薬を用いねば、
  難病は治らない・・・
  すなわち、
  非常な覚悟をもって事に当たらねば物事は成し遂げられないとの、
  「書経」の一説を真葛は引いた。

なるほど、そういうことかと納得した次第。

同じ言葉を二度も調べたり、
類推すれば気づいたことに気が回らなかったり、
この歳にして全く初見であったり、
老いの学びとは、
なるほどこういうことかと思った次第・・・です。