今朝、読み終えた本。
不思議な話でした。
佐藤正午『月の満ち欠け』(岩波書店)
旬1

3人の「瑠璃」のうちの一人が言います。
  神様がね、
  この世に誕生した最初の男女に、
  二種類の死に方を選ばせたの。
  ひとつは樹木のように、
  死んで種子を残す、
  自分は死んでも、
  子孫を残す道。
  もうひとつは、
  月のように、
  死んでも何回も生まれ変わる道。
  そういう伝説がある。
  死に方をめぐる有名な伝説。
  知らない?

「最初の男女」が選ばなかった「死に方」を選んだ人もあったのか?

二つの歌と一つのことわざが繰り返し出てきます。
  君にちかふ阿蘇の煙の絶ゆるとも万葉集の歌ほろぶとも
  みづからは半人半馬 降るものは珊瑚の雨と碧瑠璃の雨
  瑠璃も玻璃も照らせば光る

感嘆と難解と誤解。

  つまらぬものの中に混じっていても、
  すぐれたものは光を当てれば輝いてすぐにわかる。
ということわざだったそうです。
  すぐれたものも、
  磨かないと光らない。
と思っていました。