【二種類の死に方】2021・5・20
2021年05月20日
今朝、読み終えた本。
不思議な話でした。
佐藤正午『月の満ち欠け』(岩波書店)
3人の「瑠璃」のうちの一人が言います。
神様がね、
この世に誕生した最初の男女に、
二種類の死に方を選ばせたの。
ひとつは樹木のように、
死んで種子を残す、
自分は死んでも、
子孫を残す道。
もうひとつは、
月のように、
死んでも何回も生まれ変わる道。
そういう伝説がある。
死に方をめぐる有名な伝説。
知らない?
「最初の男女」が選ばなかった「死に方」を選んだ人もあったのか?
二つの歌と一つのことわざが繰り返し出てきます。
君にちかふ阿蘇の煙の絶ゆるとも万葉集の歌ほろぶとも
みづからは半人半馬 降るものは珊瑚の雨と碧瑠璃の雨
瑠璃も玻璃も照らせば光る
感嘆と難解と誤解。
つまらぬものの中に混じっていても、
すぐれたものは光を当てれば輝いてすぐにわかる。
ということわざだったそうです。
すぐれたものも、
磨かないと光らない。
と思っていました。