【今朝の忘れな言(こと)】2021・6・1
2021年06月01日
今日から6月、
久しぶりに『日々の歳時記』夏生一暁(PHP文庫)を開きました。
「今日の名句」は“衣替え”でした。
亡き人に肩叩かれぬ衣がへ 久保田万太郎
亡き人、
おそらく亡母か亡妻でしょう。
「忘れてない? 今日から衣替えだよ」
と肩を叩かれたのでしょう。
これが最初の忘れな言。
今朝、Youtubeで聞いた朗読。
山本周五郎「五月雨日記」
五月雨(梅雨)を背景としたしみじみとしたお話でした。
過(あやま)ちを繰り返しながら、
人は少しずつ生きる道を悟っていくのだ。
これが二つ目の忘れな言。
さっき読んだ「波」(新潮社)に、
内田樹さんが「カミュ論」を書いていて、
カミュの『シーシュポスの神話』から引用がありました。
不条理は人間に片足を置き、
世界に片足を置いている。
不条理が人間と世界をつなぐさしあたり唯一の絆なのだ。
憎しみだけが人と人をわかちがたく結びつけるように、
不条理が人間と世界を結びつける。
これが三つ目の忘れな言。
分かったような分からないような・・・、
ほんとうはほとんど理解していないのです。
でも、そこがいいんだと思います。
今朝の空。