今日から6月、
久しぶりに『日々の歳時記』夏生一暁(PHP文庫)を開きました。
「今日の名句」は“衣替え”でした。
  亡き人に肩叩かれぬ衣がへ  久保田万太郎
亡き人、
おそらく亡母か亡妻でしょう。
「忘れてない? 今日から衣替えだよ」
と肩を叩かれたのでしょう。
これが最初の忘れな言。

今朝、Youtubeで聞いた朗読。
山本周五郎「五月雨日記」
五月雨(梅雨)を背景としたしみじみとしたお話でした。
  過(あやま)ちを繰り返しながら、
  人は少しずつ生きる道を悟っていくのだ。
これが二つ目の忘れな言。

さっき読んだ「波」(新潮社)に、
内田樹さんが「カミュ論」を書いていて、
カミュの『シーシュポスの神話』から引用がありました。
  不条理は人間に片足を置き、
  世界に片足を置いている。
  不条理が人間と世界をつなぐさしあたり唯一の絆なのだ。
  憎しみだけが人と人をわかちがたく結びつけるように、
  不条理が人間と世界を結びつける。
これが三つ目の忘れな言。
分かったような分からないような・・・、
ほんとうはほとんど理解していないのです。
でも、そこがいいんだと思います。

今朝の空。
旬1