【花のお話】2021・6・4
2021年06月04日
眠れない夜は花のお話を読みたくなる。
昨夜がちょうどそんな夜でした。
山下景子『花の日本語』(幻冬舎文庫)
三つの花を紹介します。
「白詰草(しろつめくさ)」
クローバーの和名です。
「幸運」と「幸福」は違います。
たたまた恵まれるのが「幸運」、
心に育てていくのが「幸福」。
踏まれて、傷ついて育った四つ葉が、
ほかの葉っぱに紛れて揺れている姿を見ていると、
幸運に恵まれなくても、
幸福になれたのだなぁと思えます。
ほとんどが三つ葉で四つ葉はめったにありませんが、
踏まれたりして生長点が傷つけられた葉が四つ葉になるそうです。
「阿蘭陀石竹(オランダせきちく)」
カーネーションの和名だそうです。
十字架にかけられるキリストを見送りながら、
涙を流す聖母マリア。
その涙の跡に、
このカーネーションが咲いたといわれています。
古代は「唐撫子(からなでしこ)」とも呼ばれたそうです。
見るからに猶 この世の物とおぼえぬは からなでしこの 花にぞ有りける 和泉式部
「花一華(はないちげ)」
アネモネの和名だそうです。
「一華開(ひら)けて天下の春」・・・。
直訳すれば、
一輪の花が開くことによって、
天下に春が来たことを知るということです。
「桐一葉 落ちて天下の秋を知る」を思い出しました。
散歩で見つけた道端の花。