眠れない夜は花のお話を読みたくなる。
昨夜がちょうどそんな夜でした。
山下景子『花の日本語』(幻冬舎文庫)

三つの花を紹介します。
「白詰草(しろつめくさ)」
クローバーの和名です。
  「幸運」と「幸福」は違います。
  たたまた恵まれるのが「幸運」、
  心に育てていくのが「幸福」。
  踏まれて、傷ついて育った四つ葉が、
  ほかの葉っぱに紛れて揺れている姿を見ていると、
  幸運に恵まれなくても、
  幸福になれたのだなぁと思えます。

ほとんどが三つ葉で四つ葉はめったにありませんが、
踏まれたりして生長点が傷つけられた葉が四つ葉になるそうです。

「阿蘭陀石竹(オランダせきちく)」
カーネーションの和名だそうです。
  十字架にかけられるキリストを見送りながら、
  涙を流す聖母マリア。
  その涙の跡に、
  このカーネーションが咲いたといわれています。

古代は「唐撫子(からなでしこ)」とも呼ばれたそうです。
  見るからに猶 この世の物とおぼえぬは からなでしこの 花にぞ有りける  和泉式部

「花一華(はないちげ)」
アネモネの和名だそうです。
  「一華開(ひら)けて天下の春」・・・。
  直訳すれば、
  一輪の花が開くことによって、
  天下に春が来たことを知るということです。

「桐一葉 落ちて天下の秋を知る」を思い出しました。

散歩で見つけた道端の花。
旬1宍道湖1