「図書」(岩波書店)4月号、
長谷川 櫂「自滅する民主主義」の中に、
岩手県に住む照井井 翠さんの句が取り上げられていました。
東日本大震災から十年の思いが吐露されています。
  喪へばうしなふほどに降る雪よ
  春の星こんなに人が死んだのか
  ひとりまたひとり加はる卒業歌

長谷川さんが一言添えておられます。
  卒業歌に加わるのは津波にさらわれた生徒たちである。
  自分の心を空っぽの器にして、
  聞こえるはずのない死者の声を聞き取る。
  照井の俳句の姿勢がこの句で定まったようだ。

こんな耳もあるのだ。

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