新聞の広告が言うとおり、
『神さまのいうとおり』谷 瑞恵(幻冬舎)を読みました。
旬1

表紙の帯に書いてあるとおりの癒しでした。

  信じるということは、
  相手に委(ゆだ)ねることだから、
  自分を引っ込めて、
  先入観を引っ込めることを、
  呪文は教えてくれているのかもしれない。

  もしゃもしゃの呪文も、
  言葉に目的を委ねて、
  無心になれるから効くのでは、
  と瑛人が言っていた。

  泣き虫がいるね。
  泣けない泣き虫。

  ゆるりと思い出す。
  母が亡くなったとき、
  セイが泣いていた。
  大人が声を上げて泣くところを見るのは初めてだったから、
  セイは奈菜よりも、
  もっともっと悲しいのだと思ったのだ。
  悲しみをくらべることなんてできないけれど、
  奈菜も母親になった。
  母を亡くしたことは乗り越えたけれど、
  娘の紗和は何があっても失いたくない。
  あのときのセイの気持ちがわかるような気がする。