【続・山の詩集】2021・6・7
2021年06月07日
漢文の時間に習い教えた漢詩。
王維の「鹿柴(ろくさい)」
空山不見人(空山人を見ず)
但聞人語響(但だ人語の響きを聞くのみ)
返景人深林(返景人林に深し)
復照青苔上(復た照らす青台の上)
金岡照光さんの訳詩が添えてあります。
山わびし、人絶えて
洩れ来たる、声かすか。
夕焼けは、林まで
照らしたる、青き苔
うまい訳詩だなあと思います。
丸山 薫の最初の四行、
いいなあと思います。
夜空に星が煌(きら)めくように
昼間の空にも星があると
そうおもう想念ほど
奇異に美しいものはない
(「美しい想念」より)
荒木一郎の「空に星があるように」を思い出しました。
♪空に星があるように
♪浜辺に砂があるように
♪ボクの心に たった一つの
♪小さな夢が ありました
巻末に鳥見迅彦さんが、
「山と詩人」と題する文章を載せています。
その中に、
髙村光太郎に関する個所があって、
心に残りました。
髙村光太郎は結婚前に、
智恵子と上高地に行ったそうです。
そこにイギリスの登山家ウェストンが、
夫人同伴で滞在していたそうです。
そのウェストンが髙村光太郎に、
智恵子のことを妹か妻かときいたそうだ。
光太郎がともだちとこたえると、
ウェストンは苦笑していたという。
髙村光太郎は、
欧米留学から帰ったばかりでしたので、
「ガールフレンド」という感覚でいったのでしょう。
妹でも妻でもなく、
恋人でもなく婚約者でもなく、
「ともだち」、
・・・いいなあと思います。