今年もっとも暑い日。
昨日の読書。
妙にこの個所が心に残りました。

梶 よう子『本日も晴天なり』(集英社)
旬1
  此度は、
  つくづく考えさせられた。
  子を信じすぎてもいかん。
  信じなくてもいかん。
  結句、
  親というものは、
  子が安心して戻って来られる場所であればいいと思ったが。

  親の責任は、
  子を独り立ちさえることだ。
  そのために手を貸すことも必要だろうが、
  子の思いを尊重することもときには必要だと知った。

  できるかできないかではない。
  やるしかないんだ。

折原 一『被告A』(早川書房)
花2
  被告の口が動いていた。
  何かを彼女に語りかけているのだ。
  彼女の耳に、
  人定尋問の時に聞いた被告の声が蘇った。
  「私は起訴状に書かれたことをやっていません。身に覚えがないのです。無罪です」
  だが、今 被告の口は違う言葉を語っていた。
  「おまえら、覚えてろよ。復讐してやる」