このごろ読書づいています。
このごろ暑くて外出を控えめにしています。
なので、
このごろ読書づいています。

大島真寿美『ふじこさん』(講談社)
旬1
  ふじこさんとの思い出は、
  きちんと記憶の引き出しにしまってあった。
  リサ、ここまでたどり着けてよかったね。
  あの頃のリサにそう言ってやらなくちゃ。
  よくがんばったね、って。
  さようならも言えないままだったふじこさんに、
  ようやく、巡り合えたよ。リサ。

八幡 橙『いつかたどりつく空の下』(双葉社)
花2
  なあ、睦ちゃん。
  睦ちゃんは、「孤独」の反対って、何だと思う?
「睦 綾乃」は「まぼろし」と答えます。
「仕事」と答える人もあり、
「無」と答える人もあり、
「集団」「群衆」「団欒」という言葉も・・・。

「孤独」の反対って何だろう?
「孤独じゃないと思える瞬間」かな?

    友よ 私が死んだからとて墓参りなんかに来ないでくれ
    花を供えたり涙を流したりして
    私の深い眠りを動揺させないでくれ
  膝のあたりで組んだ両手の指を見つめながら民代が口を開く。
    長沢延子。
    『別離』っていう詩に彼女、そう書いているんだよね。
    でも、長沢さんの友人はその後何十年も彼女を忘れなかったし、
    折にふれて追悼の文章を書いている。
    そして、この著書も最初は自費出版だったのに、
    時代を越えて何度も刊行されているわけだ。

「長沢延子」という人。
女学校卒業後まもなく服毒自殺したそうです。
夭折の詩人、哲学者といわれているそうです。

『友よ 私が死んだからとて~長沢延子遺稿集~』
無性に読みたくなりました。