もう一つの紹介したいことは「うちわ」の話です。
幼稚園の先生をしている宮川さんの友人が話した夏休みの「おとまり会」
二泊三日の会から帰って、
子どもたちに「いちばん楽しかったことなあに」
と尋ねたら、
子どもたちが申し合わせたように、
「うちわがよかった」と言ったそうです。
  広い部屋いっぱいに敷いたふとんで寝ることになりました。
     (中略)
  (持ってきたうちわ)をおとなたちが一本ずつ持つと、
  子どもたちの枕もとにすわって風を送ってやりました。
  子守唄をうたう者、
  終わりのない長いむかしこ(昔話)を語る人、
  早く寝なさいといわないで、
  みんな眠りにつくまで、
  うちわの風を送りつづけてやりました。

それが子どもたちには「いちばん楽しかったこと」だったようです。

この幼稚園の先生が最後に言ったことばが、
しゅんしゅんと心にしみました。
  やさしさって、
  からだを使ってあげるものだったじゃあないの。
旬1

我が家の次女が、
保育所の思い出でもっともよかったことは、
夏の暑い日のお昼寝、
暑苦しくてなかなか眠られないとき、
「所長先生」が回ってきて、
掛け布団をそっとめくって、
みんなの足先が出るようにしてくださったそうです。
  そうするとね、お父さん、
  すぅっと涼しくなって、
  さぁっと寝ちゃうんだよ。

今ではすっかり忘れて口にすることもありませんが・・・。