【続・母からゆずられた前かけ】2021・6・12
2021年06月12日
もう一つの紹介したいことは「うちわ」の話です。
幼稚園の先生をしている宮川さんの友人が話した夏休みの「おとまり会」
二泊三日の会から帰って、
子どもたちに「いちばん楽しかったことなあに」
と尋ねたら、
子どもたちが申し合わせたように、
「うちわがよかった」と言ったそうです。
広い部屋いっぱいに敷いたふとんで寝ることになりました。
(中略)
(持ってきたうちわ)をおとなたちが一本ずつ持つと、
子どもたちの枕もとにすわって風を送ってやりました。
子守唄をうたう者、
終わりのない長いむかしこ(昔話)を語る人、
早く寝なさいといわないで、
みんな眠りにつくまで、
うちわの風を送りつづけてやりました。
それが子どもたちには「いちばん楽しかったこと」だったようです。
この幼稚園の先生が最後に言ったことばが、
しゅんしゅんと心にしみました。
やさしさって、
からだを使ってあげるものだったじゃあないの。
我が家の次女が、
保育所の思い出でもっともよかったことは、
夏の暑い日のお昼寝、
暑苦しくてなかなか眠られないとき、
「所長先生」が回ってきて、
掛け布団をそっとめくって、
みんなの足先が出るようにしてくださったそうです。
そうするとね、お父さん、
すぅっと涼しくなって、
さぁっと寝ちゃうんだよ。
今ではすっかり忘れて口にすることもありませんが・・・。