【誤算】2021・9・13
2021年09月13日
誤算は無い方がいい。
でも、
誤算があることも信じたい。
柚月裕子『パレードの誤算』(祥伝社文庫)を読んで、
そんなことを思いました。
そう思うに至った個所を引用します。
働き蜂の法則は、
百匹の蟻がいれば、
ある一定数の蟻はよく働き、
ある一定数の蟻はまったく働かないというものだ。
働かない蟻を除外して、
働く蟻だけを集めたとしても、
そのなかから、
やはり働かずに怠ける蟻が発生する。
ほかにも、
パレードの法則というものがある。
この法則によると、
ある事象の二割が全体の八割を担っているという。
そう聞くと、
二割以外のものは全体に影響を与えない・・・
いなくてもいい存在だと考える人がいるかもしれない。
(中略)
働かない蟻にも、
パレードの法則の二割以外の部分にも、存在意義はある。
パレードも自分が唱えた法則で、
それらが無価値だとは述べていない。
もし、
そのように解釈している人がいるとしたら、
それは、
パレードにとって誤算といえるだろう。
読むのが辛い個所もありましたし、
理不尽に憤る個所もありましたが、
同時に、
人の世の希望や、
人に対する信頼をも感じました。
そう言えば、
「信用」と「信頼」の違いについても、
熱く語られてもいました。