昨日、寝っ転がって読んだ小説。
瀧羽麻子『もどかしいほど静かなオルゴール店』(幻冬舎)

旬1

一ヶ所だけ引用するとしたら、
ここかな?
  それでも、
  東京の大学をすすめられた当初、
  咲耶(さや)は及び腰だった。
  親がなんていうか、
  と言葉を濁すと、
    そんなの気にしないで、
    自分のやりたいことやればいいんじゃない。
    若いんだし。
  と、教師はけろりとして言った。
    どうせ将来、
    家族のことを気にしなきゃいけない時期が来るんだから。
    それまでは悔いのないように生きたほうがいいよ。
  彼女が研究を断念して帰郷したのは、
  老いた両親の面倒を見るためだったのだ。