【名もなき暮らしの独り言(70)夕空】
2021年09月21日
風呂でウンチしていた娘が、
一緒に入った湯船で吾が子のウンチを掬(すく)っている。
太古からの子育ての営みを、
母親になった娘が繰り返している。
吉本ばなな『人生の旅をゆく 3』が心に浮かぶ。
例えば子どもを育てるということ。
それは単なるくりかえしで時間が過ぎていくということだ。
乳を飲ませ、おしめを替え、お風呂に入れ、寝かしつけて、
また乳をやり、おしめを替え・・・
毎日がデジャビュのようにただ過ぎていく。
それは無為なことなのか?
絶対に違う。
親が費やしたその時間があったからこそ、
私たちは今こうしてここにいることができている。
いかなる人もその過程を経ずには決して大人になれない。