今週の紙上歌壇から、
学校の周辺を拾いました。

《朝日歌壇》
  せんせいは咲いた朝顔だけ見てた 咲けないあさがお こっそり泣いた (福井市)野原つむぎ

  ランドセルもっておりたら二学期がぼくのせ中にくっついてきた (奈良市)山ぞえ そうすけ

《読売歌壇》
  宿題のぶどうを画(えが)く子供いて ふいに一粒食べてしまいぬ  所沢市 鈴木照興  

《毎日歌壇》
  一時限に疲れたと言う朝食を取らずに来ているわが生徒たち  盛岡市 舟山治男

《山陰文芸》
  嬉々として遊ぶ児童の影消えて白つめ草に夕影の差す  安来 鐘撞京子

学校の周辺はいつも、
なんだかこう、
愛(かな)しく切ない。