昨夜の読書はうつらうつらしながらでした。
眠ることがいかに大事かを説き、
その手立てを考え治療する医者の話ですから、
うつらうつらも許してもらえるでしょう。

泉 ゆたか『猫まくら~眠り医者ぐっすり庵~』(実業之日本社文庫)

旬1

「働く人を画きたい」という泉ゆたかの作品、
寺子屋の師匠、
髪結の母娘、
おんな大工と読み進め、
昨夜が眠り指南の医者。
そして、今朝から獣医師の話です。
そしてそして、明日は母乳のことで悩む母に寄り添う助産師の話。

手持ちの泉ゆたか江戸時代働く人シリーズ、
この6冊で区切りです。

昨夜の『猫まくら』から、
「学び」について語られた処を引用します。
  先生は俺たちに蘭学の知識を授けるだけではなく、
  俺たちからも学ぼうとされていた。
  この国に昔から伝わる医学や、
  植物、風土についての定説や、
  口伝えの物語まで。
  先生は何もかもを熱心に知りたがるんだ。
  どんなことでも、
  つまらないもの、劣ったもの、
  と侮ることをしない。
  俺はそんな先生の姿を見て、
  学びとは、
  ただ授けてもらうものではないという、
  当たり前のことに気付くことができた。

「先生」とはシーボルトのことです。