10日の読売新聞「よみほっと」に、
堀辰雄の詩の一節が載っていました。

  僕は歩いてゐた。
  風のなかを、
  風は僕の皮膚にしみこむ
         (『堀辰雄詩集』)

  この村はどこへ行っても
  いい匂いがする
  僕の胸に
  新鮮な薔薇(ばら)が挿してあるように
              (『堀辰雄詩集』)

このごろ、
どこへ行っても、
どこを歩いても、
こんなことを思うことがなくなったなあと、
心にしみてそう思う。
ちょっぴりさみしい。