【続・きのう買った本】2021・10・20
2021年10月20日
お店で古本を買ったのも2年ぶり。
「日本現代文學全集・講談社版9」
『北村透谷集 附 文學界派』
付録の「文学界派」の文章の中に、
戸川残花の「北村透谷君をいたみて」があり、
心に深く残りました。
(前略)
たゝちふさのみしたひつゝ
父ともよはぬみとり子は
したふにましてあはれなり
あはれをうたふ君なれと
けふはあはれを身のうへに
うつすとはまたいかなるそ
つれなき君と思ふなり
つれなき人と思ふなり
いつくにゆきしやよや君
またうらわかき汝か妻は
雨にうたれしいとさくら
おもひみたれて色もなし
いかにはかなく世をすてし
世はすつるとも妻と子を
いかに思ひてすてしそや
つれなき君と思ふなり
つれなき人と思ふなり
いつくにゆきしやよや君
(後略)
透谷が27歳で亡くなったとき、
妻ミナ(28歳)と長女英子(1歳10ヵ月)が遺されたそうです。