【西條奈加】2021・10・31
2021年10月31日
昨夜も西條奈加でした。
『千両かざり~女細工師お凛~』(新潮文庫)
すごいとわかっちゃいても、
誰もちていけねえ。
追いつけるのはおそらく、
後世の連中だけだ。
あいつが生きているうちは、
誰にもわかっちゃもらえねえだろう。
お凛ちゃんの意匠は、
いつもあたしの先を行く。
あたしの考えどおりのものを、
あたしが思い描くよりずっと面白く目の前に見せてくれる。
こんなにどきどきすることって他にないわ。
細谷正充さんの解説からも少し引用します。
一世一代の仕事を世に披露したときの高揚から、
あまりにも意外な展開へと続く終盤の流れ。
そして、
胸の熱くなるラストまで、
作者はお千賀の言葉通りの物語を見せてくれたのだ。
読者が求めるものを提供しながら、
想像を超えた面白さを堪能させてくれる。
本当に、
“こんなにどきどきすることって他にない” のである。