【今週の本棚】2021・11・2
2021年11月02日
先週の土曜日の毎日新聞、
「今週の本棚」は秀逸でした。
感染症をテーマにした三作品が取りあげられていました。
ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』(河出文庫):鴻巣友季子さん推薦
カミュ『ペスト』(光文社古典新訳文庫):鹿島 茂さん推薦
ホメロス『イリアス』(岩波文庫):池澤夏樹さん推薦
この三作品について、
三氏がそれぞれ評しています。
そういう構成でした。
今日はまず、
『白い闇』についての書評から、
特に印象的だった個所を紹介します。
ディストピアのような荒廃した狭い世界で、
食糧や安全と引き換えのレイプが行われていく。
女性がこれを読むのはきついと思うが、
保安と性の交換は、
これまでも歴史上で繰り返されてきた。(鴻巣友季子)
病気と闘って勝てない、
勝てないが闘い続ける、
あるいは抵抗し続ける、
それは病気に対する人間の姿勢の対処として当然だ。(池澤夏樹)
明日は『ペスト』について。