先週の土曜日の毎日新聞、
「今週の本棚」は秀逸でした。

感染症をテーマにした三作品が取りあげられていました。
ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』(河出文庫):鴻巣友季子さん推薦
カミュ『ペスト』(光文社古典新訳文庫):鹿島 茂さん推薦
ホメロス『イリアス』(岩波文庫):池澤夏樹さん推薦

この三作品について、
三氏がそれぞれ評しています。
そういう構成でした。

今日はまず、
『白い闇』についての書評から、
特に印象的だった個所を紹介します。
  ディストピアのような荒廃した狭い世界で、
  食糧や安全と引き換えのレイプが行われていく。
  女性がこれを読むのはきついと思うが、
  保安と性の交換は、
  これまでも歴史上で繰り返されてきた。(鴻巣友季子)

  病気と闘って勝てない、
  勝てないが闘い続ける、
  あるいは抵抗し続ける、
  それは病気に対する人間の姿勢の対処として当然だ。(池澤夏樹)

明日は『ペスト』について。