柊(ひいらぎ)の花、
これが柊の花と意識して見たのは初めてかもしれない。

旬1

  柊の香の失せ何か失へる  篠田悌二郎
  花柊散り初めて知る人の訃(ふ)よ  平木くらら
           (『カラー図説 日本大歳時記』講談社)

「訃報」という言い方は、
よく耳にし、
口にもしたが、
「人の訃」という言い方もするのだ。

浜2
  父とありし日の短さよ花柊  野沢節子
  母がりや花柊の現はれて  岸田稚魚
           (『合本 俳句歳時記』角川書店)

父が生に頓着せず、
私は死に鈍感であったころ、
父との日々は腐るほどあるように思っていた。