【いざ読まん(6)】2021・11・6
2021年11月06日
「ホメロス伝」のほぼ終わりに、
昨夜の「ピクン」がありました。
ホメロスが晩年を過ごした港町で、
海を見ながら坐っていると、
舟で魚捕り行っていた子どもたちが帰って来ます。
ホメロスたちの所へ来てこう言った。
他国から来たおじさんたちよ、
これからおらたちがいうことの意味があんたらに判るかどうか、
聴いてみてくれよ。
その場にいた一人が、
「言ってみろ」というと、
おらたちが捕ったものはみんな置いてきた。
捕らなかったものは今、持っている。
といった。
一説によると、
子どもたちは、それを詩の形にして言ったという。
捕らえたるは捨て置きたり
捕らえざりしはここに持つ
(中略)
ホメロスはこの時、
患った病いのためにイオスで死んだのであって、
一部の者が考えているように、
子どもたちの言葉が解らなかったためではなく、
死因はやはり病いであった。
ホメロスが解らなかったように、
私もこの謎めいた言葉が分かりません。
子どもたとは、
謎解きをしてみせます。
漁に出たが魚は一尾も捕れなかった。
そこで陸(おか)に上って坐り、
虱(しらみ)捕りをしたが、
つかまえた虱はそこへ捨て、
とり損なったものはみんな家へ持ち帰ったというわけだ。
謎解きされても、
依然として分からないままです。
子どもの戯言(たわごと)なのか、
奥深い哲学が潜んでいるのか、
それさえ分かりません。