昨日、土曜日の読書は、
西條奈加『大川契り~善人長屋(3)~』(新潮文庫)でした。

旬1
  母親の息子への思いってのは、
  恋とそう変わらない。
  いいや、恋よりももっと執着は強いかもしれないね。
  娘を大事に思う気持ちとは少し違う、
  物狂いと言ってもいいほどで、
  息子を持つ母親にしかわからない特別なものだと、
  お俊は語った。

  まじめに生きて、
  その道がふさがったとき、
  身近に脇道があれば、
  逸(そ)れてみたくなる。
  あたりまえの人の弱さだ。
  悪業(あくごう)の本当に怖さはそこにある。

 

高等学校に生きた数十年、
まま見る光景だったなと、
こういう文章に触れると思い出したりもします。