新聞広告を見て買った本、
原田マハ『常設展示室』(新潮文庫)
旬1

第一話にパブロ・ピカソの「盲人の食事」が出てきます。
  美青(みさお)は、
  子供の頃にこの作品を見たときのことを、
  急に思い出した。
  あの水差しには、何が入っているんだろう。
  そう思った。そして、願ったのだ。
  ワインが入っていますように。
  そうしたら、
  きっとこの男の人は嬉しいはずだ。
  それか、ミルク。オレンジジュース。
  そうだ、コーラかも?
  とにかく、
  彼の大好きな飲み物が、
  あの中に入っていますように。
  そして彼が元気を出してくれますように。
  そんなふうに、願ったのだ。
花2

読みながら涙が出そうでした。
無垢な子どもの心に触れたような気持ちになりました。
子どもの無垢な心に触ったような心持ちになりました。