瀬戸内寂聴が、
並び称している「若紫」と「浮舟」ですが、
“紫の上”には好感を持っても、
“浮舟”には痛ましさばかりが心に澱(よど)みます。
私の個人的乾燥ですが。

瀬戸内寂聴「源氏のしおり」からの引用。
  だれからも、
  そういう見下された存在でしかなかった浮舟のあはれさの本質を、
  浮舟自身は気づいていない。