『花と緑の歳時記365日』(毎日新聞出版)
7月から10月を読んで、
一冊まるごと読み終えてしまいました。

各月から一句ずつ選びました。

 7月16日  立って歩くことのさみしさ月見草  酒井弘司

 8月27日  子の摘める秋七草の茎短か  星野立子

 9月23日  ひとたびは夫(つま)帰り来よ曼殊沙華  石田あき子

10月20日  椎の実のまぎれてをりしペンケース  岡本 眸

  立って歩くのは人間だけ。
  人間だけが感じるさみしさを心に抱え、
  月見草をみつめます。

解説されなければ分からない。
なのに、
解説されると、
「ああ、そういうこと」で終わってしまう。

旬1

盆になればなったで、
今日が誕生日なのにと思ったときも、
百箇日を迎えたその日も、
帰ってきてほしいと思わずにいられない人がいて、
「ひとたびは」の句が心にしみました。