久しぶりのトルストイ『文読む月日』(岩波文庫)
旬1
  11月18日
  われわれが真に善を行なうのは、
  われわれがそれに気づかず、
  自分自身から出ていって、
  人のなかに住み込むときである。

「それに気づかず」ということが難しいのです。
たいていの場合、
善行の後には、
“ああ、自分は善いことした”
という忌むべき虚栄心が影のように寄り添うものです。