【読了】2021・11・21
2021年11月21日
原田マハ『星がひとつほしいとの祈り』(実業之日本社文庫)、
昨夜、読み終えました。
出口のないトンネルはないのだ。
ただし、
出口に到達するまで、
いったいどれほどの月日が必要なのかは見当がつかないけれど。
明かりも持たず、
唯(ゆい)がさっさとひとりで、
トンネルをずんずん進んでいってしまうような気がする。
何も見えなくても、
何も見ずに、
遠くに行ってしまおうとしているような。
島だの天然記念物だの野生復帰だの、
そんなことにはまったく無関心だった。
神経症の娘、
日々の仕事、
かつかつの暮らし。
いつも混雑する心には、
寸分の隙間もない。
地球温暖化だエコだと騒がれていても、
いっさい関心が湧かなかった。
暮らしに余裕のある人が、
ブームに乗せられているだけじゃないか、
と冷めた目で見ていた。