昨夜から読み始めた小説。
名取佐和子『ひねもすなむなむ』(幻冬舎文庫)
旬1

    ウチはまだ送り火を焚いてねえから、
    お母さんがきっとそのへんにいる。
  千蓮(ちれん)はそう言ってあたりを見まわし、
  「仁心(にしん)さんは怖いか」と笑った。
  仁心は少し考え、余裕の笑みを返す。
  怖がりを克服したわけではないが、
  今は本当に怖くなかった。
  このお盆の棚経で、
  幽霊でもいいからもう一度死者と会いたいと、
  望んでいる生者がどれほどいるか、
  よくわかったからだ。

先日いただいたメールを思い出しました。
  日本のハロウィンでは、
  仏さんが現れたりしてくれないのかな・・・と、
  どうしようもないことをが頭を巡ります。