【波】2021・11・22
2021年11月22日
昨夜は身に危険の及ばないちょっとした事件があって、
眠らずに過ごしましたので、
サクサク読みの「はしご」をしました。
先日、届けていただいた「波」(新潮社)11月号に、
いくつもの書評が載っていましたが、
その中から心に残った個所を引用します。
この小説を読んでいると、
経済的な貧困が人間の精神を侵食し、
やがて心まで貧困化させていくのだということを実感させられる。
貧困化した心は、
絶えず本人から可能性や希望を吸い取り、
諦めを促して、
自分に価値を感じられなくしてしまう。
著書:西加奈子『夜は明ける』(新潮社)
書評:白岩 玄(作家)
子は親の歴史の中に生まれ落ちざるをえない。
親ガチャの結果として、
社会ガチャの結果として、
子はある。
そこに理不尽さがある。
著書:プレディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (2)』(新潮社)
書評;東畑開人(臨床心理士)
五十代半ばになり、
改めて思ったことがある。
この世に出してもらった親に習うことは死に方。
生き方は他人から学ぶもの。
生き方を教えてくれた人もまた、親。
著書:片寄涼太・小竹正人『ラウンドトリップ 往復書簡』(新潮社)
書評:桜木紫乃(作家)