昨夜は身に危険の及ばないちょっとした事件があって、
眠らずに過ごしましたので、
サクサク読みの「はしご」をしました。

先日、届けていただいた「波」(新潮社)11月号に、
いくつもの書評が載っていましたが、
その中から心に残った個所を引用します。
  この小説を読んでいると、
  経済的な貧困が人間の精神を侵食し、
  やがて心まで貧困化させていくのだということを実感させられる。
  貧困化した心は、
  絶えず本人から可能性や希望を吸い取り、
  諦めを促して、
  自分に価値を感じられなくしてしまう。
著書:西加奈子『夜は明ける』(新潮社)
書評:白岩 玄(作家)

  子は親の歴史の中に生まれ落ちざるをえない。
  親ガチャの結果として、
  社会ガチャの結果として、
  子はある。
  そこに理不尽さがある。
著書:プレディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (2)』(新潮社)
書評;東畑開人(臨床心理士)

  五十代半ばになり、
  改めて思ったことがある。
    この世に出してもらった親に習うことは死に方。
    生き方は他人から学ぶもの。
    生き方を教えてくれた人もまた、親。
著書:片寄涼太・小竹正人『ラウンドトリップ 往復書簡』(新潮社)
書評:桜木紫乃(作家) 

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