月初めに月ごとの記事を読んできた本、
久保田豊和『畑仕事の十二カ月』(家の光協会)も、
昨夜、読み終えました。
旬1
「十二月」の記事から引用します。

  最後に心の庭仕事についてお話ししましょう。
  園芸を教えることを仕事としていて、
  疑問に思うことがあります。
  「人はなぜ植物を栽培するのか?」という疑問です。
  「あなたは、なぜガーデニングをするの?」
  と聞かれて即答できますか。

久保田さんは答えます。
  今、
  この疑問にもっとも納得できるのは、
  「バイオ・フォリア仮説」と呼ばれている説です。
  簡単に説明すると、
  「人の遺伝子(DNA)には植物を愛する遺伝情報が含まる」
  という仮説なのです。
  人間の母親のミトコンドリア中にある遺伝子を遡っていくと、
  一人の女性の遺伝子にたどりつきます。
  この女性は「マザーイブ」と呼ばれ、
  人類の最初の一人であると考えられています。
  この女性はアフリカのサバンナで生まれました。
  その時に見たサバンナの風景を、
  人は心の原風景(基準)として、
  遺伝子の中に持っています。
  それは私たちの「美しい庭」の原風景となっていて、
  フランス式庭園もイングリッシュガーデンも枯山水も、
  すべて基準は、
  池があり草が生え、
  中低木が木陰を作り、
  ライオンが昼寝をする、
  サバンナの風景であるという仮説なのです。

私も、
サバンナを懐かしみ、
サバンナに思いを馳せ、
サバンナを夢見ているのでしょう。

なぜ庭仕事をるのか?
きっと夢見ているからだと思います。
芽が出るのを、
花が咲くのを、
実がなるのを、
そんなまだ見ぬ姿を夢見ているのだと思います。