【読み終えて(4)】2021・12・1
2021年12月01日
月初めに月ごとの記事を読んできた本、
久保田豊和『畑仕事の十二カ月』(家の光協会)も、
昨夜、読み終えました。
「十二月」の記事から引用します。
最後に心の庭仕事についてお話ししましょう。
園芸を教えることを仕事としていて、
疑問に思うことがあります。
「人はなぜ植物を栽培するのか?」という疑問です。
「あなたは、なぜガーデニングをするの?」
と聞かれて即答できますか。
久保田さんは答えます。
今、
この疑問にもっとも納得できるのは、
「バイオ・フォリア仮説」と呼ばれている説です。
簡単に説明すると、
「人の遺伝子(DNA)には植物を愛する遺伝情報が含まる」
という仮説なのです。
人間の母親のミトコンドリア中にある遺伝子を遡っていくと、
一人の女性の遺伝子にたどりつきます。
この女性は「マザーイブ」と呼ばれ、
人類の最初の一人であると考えられています。
この女性はアフリカのサバンナで生まれました。
その時に見たサバンナの風景を、
人は心の原風景(基準)として、
遺伝子の中に持っています。
それは私たちの「美しい庭」の原風景となっていて、
フランス式庭園もイングリッシュガーデンも枯山水も、
すべて基準は、
池があり草が生え、
中低木が木陰を作り、
ライオンが昼寝をする、
サバンナの風景であるという仮説なのです。
私も、
サバンナを懐かしみ、
サバンナに思いを馳せ、
サバンナを夢見ているのでしょう。
なぜ庭仕事をるのか?
きっと夢見ているからだと思います。
芽が出るのを、
花が咲くのを、
実がなるのを、
そんなまだ見ぬ姿を夢見ているのだと思います。