この間の講演で手にした本、
そして読んだ個所。

  悲しくなったら飯を食え、
  食った分だけ生きていけ。
  また悲しくなったらまた飯を食え。
  その食った分だけ生きていけ。
    (鈴木るりか『さようなら、田中さん」小学館)

  私にとって愛は、
  ぬくもりです。
  小さな勇気であり、
  やむにやまれぬ自然の衝動です。
   (向田邦子「ゆでやまご」:松田哲夫編『中学生までに読んでおきたい哲学』(1)あすなろ書房)

  このときわたしは、
  二百円の労賃と、英和辞典一冊と、
  欲しいものがあれば働けばいい、
  働いても買えないものは欲しがらなければいい、
  という世間の知恵を手に入れた。
   (井上ひさし「万引き」:松田哲夫編『中学生までに読んでおきたい哲学(2)あすなろ書房)

        前へ
             大木 実
  少年の日 読んだ「家なき子」の物語の結びは、
  こういう言葉で終わっている。
  ・・・前へ。
  僕はこの言葉が好きだ。

  物語は終わっても、
  僕らの人生は終わらない。
  僕らの人生の不幸は終わりがない。
  希望を失わず、
  つねに前へ進んでいく、
  物語のなかの少年ルミよ。
  僕はあの健気なルミが好きだ。

  辛いこと、厭なこと、哀しいことに出会うたび、
  僕は弱い自分を励ます。
  ・・・前へ。
   (木坂 涼・水内喜久雄編『いま中学生とよみたい101の詩』民衆社)  

講演の朝、
やっと探し出した本もありました。
講演の直前、
中学校の教室の前に並べてあったのをお借りした本もありました。
偶然にも助けられました。