佐藤優 監修『教養としての世界の名言365』(宝島SUGOI文庫)
旬1

今回は第1章「政治・歴史」
知っている言葉や、
さほどの背景がないものや、
心を素通りした言葉は、
いつものようにサクサク読んで、
紹介したい名言をいくつか。
  あることをしたために不正である場合だけでなく、
  あることをしないために、
  不正である場合も少なくない。
     (マルクス・アウレリウス・アントニヌス)

しないことの不正、
なかなか気づきにくいものです。
あるいは、
気づかないふりをしたいものです。

  私に自由を与えよ、
  しからずんば死を与えよ。
      (パトリック・ヘンリー)
パトリック・ヘンリー、
アメリカ独立戦争を指導した人です。
高校の世界史で教わった言葉の中で、
今でもよく覚えている一つです。
そのときは、
  我に自由を与えよ、しからずんば死を。
だったように思います。

  生まれたときから、
  肌の色や育ち、
  宗教で他人を憎む人などいない。
  人は憎むことを学ぶのだ。
  もし憎しみを学べるのなら、
  愛を教えることもできる。
  愛は、憎しみに比べ、
  より自然に人間の心に届く。
       (ネルソン・マンデラ) 
差別は、
「血の遺伝」ではなく「文化の遺伝」なのです。
差別に限らず、
文化は遺伝するのです。
親から子、
子から孫へ、
大人から子どもへ、
年長者から年少者へ、
教える人から教わる人へ、
差別も愛も文化として遺伝するのです。 
そして、
マンデラの思いとは異なって、
愛よりも憎しみの方が、
より自然に心に届く人がいるのも現実です。

だから、
教育は意図的でなければならないのです。