今月号の「図書」(岩波書店)に、
栗田隆子さんが、
「ルッキズム・・・美しさという『力』あるいは『特権』への怯え」
と題して興味深い文章を載せています。
  この『ジェンダー 記憶の淵から』展は、
  図解も購入し、
  今も手元にある。
  その図録には、
  撮影された「太った」女性たちの言葉も記載されている。

    私たちは、
    どんなサイズでも、形でも、色でも、肌でも、気分でも、
    こどもたちに自分を愛しなさい、
    と教えてあげる方法をみつけなければならい。

    私は、もう絶対、
    誰にもサイズのことで、
    私を不当に迫害させないぞって、
    決意した。

    女ってどれだけのスペースをとるのがふさわしいのか?
    好きなだけよ。

  ・・・私自身、
  前述したように、
  決してルッキズムから解放された人間ではない。
  しかし、
  このような女性たちの言葉は、
  私の弱い心の中にも響き、
  美しさで力を得るよりも、
  それほど美しくないままで生きられる方がいいでは?
  という憧れのような気持ちを抱かせてくれたのである。

久しぶりに、
心に響き、
心を揺さぶる文章に出会った気がしました。

読み終えて、
芥川龍之介の『鼻』を思い出しました。
それが、
この文章の題にある「特権への怯え」なのだと思います。

ただ、
その部分については、
今回は割愛しました。

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