昨日の朝日新聞「折々のことば」から。
  誰も「出生の偶然」によって、
  権利を奪われてはならないとするのが民主主義だとすれば、
  誰も「死の偶然」によって、
  権利を奪われないとするのが伝統である。(鷲田清一)

人はどんな生まれ方をしようが、
生と命の尊厳を守られなければならいし、
人はどんな死に方をしようが、
後世に文化を手渡すことができる。
・・・ということかな?  

新潮社「波」1月号の書評から。
  「人は死ぬと風景になる」。
  学生の頃、
  ある文化人類学者の著作を読んでいて、
  こんな一文に出くわしたことがある。
     (中略)
  人はこの世におサラバしても、
  残された者たちの“心象風景”の中で生き続ける。(川尻亮一)
          (江國香織『ひとりでカラカサさしてゆく』の書評)

  生きることと死ぬことは、
  ひとりでカラカサをさしていくことなのだと、
  そして、
  それは彼らのことだけでなくて、
  遺された者たちも、
  むろん、
  わたしもそうなのだと噛みしめずにはいられない。(大島真寿美)
           (江國香織『ひとりでカラカサさしてゆく』の書評)