【この世情に晩年を生きて(48)】2022・1・27
2022年01月27日
「晩年」について考える。
『人間晩年図鑑』(岩波書店)の最新刊を、
先ごろ出版した関川夏央が、
「図書」(岩波書店)1月号に、
「『晩年」とはいつのことか?」を書いていたから。
人には程度の差はあれ全盛期がある。
(中略)
では晩年は?
自分の晩年はいつからだったか。
(中略)
昔は若かった。
昔は空が青かった。
それらはたしかに消え果てた。
といって、
いまが晩年だとは認めない。
認めたくない。
(中略)
いつからが自分の晩年だったかは、
死ねばわかる。
死んだら何も分からなくなる。
いつからが自分の晩年か?
何も難しいことじゃない。
死ななくても分かる。
自分の晩年について考え始めたときが、
最も分かりやすい自分の晩年だと思う。
新年早々、
昔むかし担任した人と、
薄暗いカフェで食べたケーキ。
晩年と全盛期が向かい合って食べたケーキ。