「ちくま」(筑摩書房)1月号を読んでいたら、
気になる文章に出会いました。
  最近気になるフレーズがある。
  「寄り添う」という言葉だ。

プチ鹿島さんが書いている、
松本 創『地方メディアの逆襲』(ちくま新書)の書評の中にありました。
「寄り添う」という言い方がなぜ気になるのか。
こんなふうに書いています。
  政治家がよく使う。
  たとえば、
  「国民に寄り添う」とか、
  「沖縄に寄り添う」とか。
  やさしそうだけど他人事のように聞こえるときもあってザワザワする。
  その場だけのように思えたり、
  上から目線も感じてしまう。
  使う人によってはむしろ距離の遠さを証明しているような言葉だ。

同じような表現の「思いやる」という言い方、
ザワザワするものだから、
「思いを重ねる」と言ってきました。

「寄り添う」を、
平等の地平から言うときには、
なんと表現するのだろう。

「寄り添う」ということ自体、
考えてみたら、
所詮、
他人事です。

人は「他人」には寄り添えるけれど、
人は「自分」には寄り添えないから・・・。


地方紙に「寄り添う」という言葉がない。
至極あたりまえのような気がします。

地方紙にとって地方は我が事であって、
他人事ではないのだから・・・。

プチ鹿島さんが言うこと、
そのとおり!!
とは思えない処もありますが、
この機会に考えてみたいと思いました。