二階の本棚に、
誰が買ったのか、
こんな本がありました。

西原大輔『七五小曲集』(七月堂)

旬1

著者は大学の先生らしい。

    晩秋山行
  山に向かって道を行く
  後ろ姿を思うかな
  秋の終わりの山を行く
  我が半生を思うかな

すべてひらがなで書き直すと、
  やまにむかって みちをゆく
  うしろすがたを おもうかな
  あきのおわりの やまをゆく
  わがはんせいを おもうかな

きちんと七五調になっています。

字余りもあります。
    柳川 其一
  ごんしゃんごんしゃん舟は善く
  白秋生家へ棹をさす
  橋にかかれば是非もなし
  船頭身を曲げかがみこみ

「ごんしゃん」
北原白秋の故郷・福岡県柳川では、
「良家のお嫁さん・令嬢」を意味するのだそうだ。
  GONSYAN GONSYAN 何処へゆく
  赤い御墓の曼殊沙華 曼殊沙華
  今日も手折りに 来たわいな
      (北原白秋「曼殊沙華」)

    理想の書斎
  清らかな机 澄んだ窓
  ずらりと並んだ文学書
  時折小鳥の声がする
  モカコーヒーが香り立つ

こんな書斎、
私も心から願います。