このごろ話題の小説を読み終えました。
青山美智子『赤と青のエスキース』(PHP研究所)

旬1
「私」は突然、パニック障害になります。
  こんなにしんどいならもういい、
  いっそぱたんと本を閉じるように、
  終わりになってしまえと思う。
  それなのに少しでも呼吸が苦しくなってくると、
  私はあわてて頓服薬を飲んだ。

  矛盾している。
  私は生きるのがつらいのに、
  死ぬのがこんなに怖いのだ。

その状況、
その思い、
同じような病いに苦しんだことのある私には、
床に散らばったビーズを、
ちまちま拾い集めるように、
よくよくわかる。