【千代女】2022・2・6
2022年02月06日
2月1日の山陰中央新報「明窓」の冒頭は、
太宰治の『千代女』でした。
太宰治の短編『千代女』は、
作家を目指す少女の物語。
少女は雑誌の投書で1等となり、
世間の注目を浴びたが、
後が続かず、
鳴かず飛ばずとなる。
炬燵(こたつ)にはいって雑誌を読んでいたら、
眠くなって来たので、
炬燵は人間の眠り箱だと思った。
というストーリーの小説を書いたものの、
誰からも評価されないまま終わる。
興味をそそられて、
さっそく買って、
するりと読みました。
まさしくそんな話でした。
俳人・加賀の千代女誕生秘話が書かれていて、
それがなんともなんとも心地よく心に残りました。
お師匠さんから「ほととぎす」という題をもらって、
いろいろ作ってお師匠さんに見せますが、
なかなか「よろしい」とは言ってもらえない。
一晩ねむらずに考えて、
ふと気が附いたら夜が明けていたので、
何心なく、
ほととぎす、ほととぎすとて明けにけり
と書いてお師匠さんにお見せしたら、
千代女でかした!
とはじめて褒められた(後略)