【読み終えて(15)】2022・2・10
2022年02月10日
中江有里『残りものには、過去がある』(新潮文庫)を読み終えて、
巻末の解説(一木けい)を読んでいたら、
またまた読み返すことなりました。
解説の中に、
こんな指摘があったからです。
傍から見たらそんなことで、
というような聡美の一言で、
池田は力を取り返す。
え?
どの一言?
結局、探し出せず。
終盤、
「過去の人」に登場した聡美の姪と、
貴子の人生が交差する場面がある。
ただ一瞬、
目が合うだけ。
その目の中に、
貴子はある思いを感じ取る。
眼差しが、
貴子に行動を起こさせる。
強い印象を残すシーンだ。
謝りたいのに謝り方がわからない、
それが「ある思い」なのだろうと思った。
そこで美月が発する、
ずっと心の底に縛り付けていた三文字に、
鳥肌が立った。
「三文字」が見つからない。
疲れて諦める。
残念ながら「鳥肌」を経験できなかった。