【カラフル】2022・3・5
2022年03月05日
「青春と読書」(集英社)の3月号、
阿部暁子「カラフル」第8話に、
こんな場面があります。
同級生の「六花(りっか)」が、
車椅子で40キロ競歩に出ると言った時、
同じ班の女子高生がこんなことを言います。
ねえ、うちらが渡辺さんに障がいがあるからって、
差別してるとか思わないでね。
そんなつもり、
1ミリもないから。
別に渡辺さんのこと嫌いじゃないし、
むしろ障がい者の人って、
もっと気を遣わなきゃいけない感じなのかなって思ってたけど、
渡辺さん明るくて付き合いやすいし、
大変なことも多いと思うけど、
がんばってて偉いなって思うし・・・
差別なんてしてない。
傷つけたいわけでもないの。
だから、
仲のいい委員長に、
なるべくソフトに伝えてほしって頼んでるし・・・
介助の仕方も分かないし、
班のメンバーの負担になって、
自分たちが楽しめないから、
そんな理由で、
「六花」が競歩に出ないように言ってくれと、
「六花」と親しい男子生徒に頼む場面です。
人はこんなふうに言い訳しながらもきっちり差別する。
後ろめたく思いながらもすべき差別はきちんとする。
差別なんかしてしないという人は上手に差別する。