日ごろは忘れている本を、
月が替わると思い出します。
その一つが、
トルストイ『文読む月日』(ちくま文庫)です。

四月一日
  ペルシャの賢人は言っている。
   私は若かったころ、
   自分に向かって、
   自分はあらゆる学問を究めつくしたいと言ったものである。
   そしてとうとう知らないものはあまりないようになったが、
   やがて年老いて、
   自分がこれまでに知ったことを振り返ってみると、
   自分の人生はもう過ぎ去ったのに、
   自分が何一つ知ってはいないことがわかった。
  ・・・と。

確かに確かに、
ほんとにほんとに、
そうだなあと身にしみて思います。

昨夜、
谷 瑞恵『めぐり逢いサンドイッチ』(角川文庫)を読んでいたら、
  笹ちゃんは本屋さんへ行っている。
  わたしはコスメを物色しつつ百貨店をぐるりと回り・・・
という個所に出くわし、
「コスメ」ってなんだ?
と先に進めない。
調べたら化粧品のことだった。
こんなことも知らない。