桜が咲くと思い出す歌があります。
  またや見む 交野のみ野の桜狩り 花の雪散る春のあけぼの  俊成

この歌で思い出す歌があります。
  年たけてまた越ゆべしと思ひきや 命なりけり小夜の中山  西行

「またや見む」も、
「思ひきや」も、
「命なりけり」です。

(来年もまた見ることができるだろうか、いや来年はかなわないかもしれない)も、
(思っただろうか、いや思いもしなかったに違いない)も、
(命があったからのことだなあ)なのです。

旬1