邑楽が伊予のことを認めてくれた。
心に季節外れの花が咲いたような、
そんな心持ちだ。
 (柳ケ瀬文月『お師匠様、出番です』(ポプラ文庫)

何かを失った人間しか、
当事者しか、
起きたことを語る資格がない。
と思うきもち。
 (くどうれいん『氷柱(つらら)の声』(講談社)

なんにも用事がないけれど、
汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。
 (内田百閒『特別阿房列車』:4/30「天声人語」)

用事のなさに心引かれるのは、
不要不急の移動を長く戒められてきたからか。
 (朝日新聞「天声人語」4月30日)

『ウクライナのゼレンスキー大統領が、
英国議会での演説で、
ムレット』の、
“to be,or not to be“
を引用したことが伝えられている。
日本では、
「生きるべきか、死ぬべきか」
と訳されることが多いが、
そもそもの文脈に即して言えば、
 (運命に逆らって)闘うべきか、
 それとも(運命に)服従すべきか
と訳すべき台詞(せりふ)である。
 (『対訳ハムレット』角川文庫の書評:4/30毎日新聞)

このごろ、
心に刺さったり、
心を揺らしたり、
心を濡らしたり、
そんな言葉に出会うことが多い。