【さきわひの】2022・5・2
2022年05月02日
昨日、
買い物に行った妻が、
喜ばせようと思ったのだろう、
私の好物を買ってきた。
でもそれが、
さほどの好物でもなかった。
夫婦で暮らす幸せってそういうことだろうなと思う。
夫婦で暮らすってそんなもんだと思った。
唐突に万葉集を思い出す。
幸(さきは)ひの いかなる人か 黒髪の 白くなるまで 妹(いも)が声を聞く(1411)
現代語訳
どのような しあわせな人が 黒髪が 白くなるまで 妻の声を聞くのだろう
(『日本文学全集』小学館)
妻に先立たれた万葉人の歌が、
還暦を過ぎてともに暮らしている私を温かく包む。