待ちに待った「小説新潮」5月号、
昨日、届けていただきました。

原田マハ「晴れた日の木馬たち」第11回が読みたくて。

「すてら」と「多江」は、
「倉紡」の「工女」で、
同じ部屋で寝起きを共にしています。

二十歳になった中山すてらは、
三月いっぱいで退職します。

 私、お国へ帰つてお嫁に行くことになつたの。
 名前も知らない、
 会つた事も無い、
 何処かの誰かさんの処へ。

 良かつたわね。
 貴方は、何時迄も此処に居ては駄目よ。
 私は此処で一生を終へる運命だけど、
 貴方は違ふ。
 私の代はりに、
 広い世界へ出てお行きになって。
 そして、
 新しい誰かと、
 新しい生活をお始めになるのがいゝわ。
 さうして、
 屹(きっ)と倖せになつて頂戴。
 其れが、
 私が一番に願つてゐる事よ。

人生、
何が幸福で、
何が不幸なのか。
しばし考えました。

「多江」は実は・・・
でも、
それは書かないことにします。

旬1